特集
2017.6.2
日本語の「ピックアップ」とは違う?”pick up” の正しい使い方
日本語では何かを選び出すことを「ピックアップ」といいますよね。「今週のピックアップ商品」や「情報番組でピックアップされた話題」など、様々な場面で用いられています。
このような背景からか、日本人は同じ要領で “pick up” という表現を使ってしまいがちですが、実は間違い。「ピックアップ」は和製英語であり、”pick up” に「~を選ぶ」という意味はありません。
「~を選ぶ」は、正しくは “pick out” を用います。同じ「~を選ぶ」という意味を持つ “select” や “choose” に比べて、カジュアルな話し言葉で使われる傾向にあります。
- Can you help me pick out an outfit to wear to the party?
- パーティーに着ていく服を選ぶのを手伝ってくれる?
- I’m happy to knit you a sweater if you can just pick out the colors you like.
- 好きな色を選んでさえくれたら、喜んでセーターを編んであげるわ。
ほかにも “pick out” には、「~を区別する、見分ける」という意味があります。
- I couldn’t pick him out at the party based on the description you gave me.
- あなたの説明では、パーティーで彼を見つけることはできなかったわ。
- Whenever we go to theme parks, I make sure my kids are wearing bright colors so I can easily pick them out in a crowd.
- 遊園地に行くときには、人ごみの中でもすぐに見つけられるよう、必ず子供たちに明るい色の服を着せるようにしている。
”pick up” の意味って?
それでは “pick up” にはどんな意味があるのでしょうか?
実は “pick up” には色んな意味があり、様々なシチュエーションで使うことができるため、日常会話でもよく登場する表現です。主な用法については、以下のとおりです。ぜひ憶えてみてください!
(1)拾う、持ち上げる
- He’s so strong, he can pick up a car from the rear.
- 彼はすごく力が強いから、車を後ろから持ち上げることができる。
(2)片付ける
- Please be sure to pick up your belongings before leaving today.
- 今日帰る前に、自分の持ち物を必ず片付けてください。
(3)(車で人を)拾う
- It’s your turn to pick up the kids after school.
- 今度は君の番だよ、子供たちを学校に迎えに行くの。
(4)買う
- I just need to pick up some toilet paper on the way home tonight.
- 今日帰りにトイレットペーパーを買わないといけない。
(5)改善する
- My guitar playing has been picking up lately since I started practicing every day.
- 最近毎日練習するようにしてから、ギターうまくなってきたよ。
(6)習得する
- I picked up some Russian on my trip to Moscow but just enough to get by.
- モスクワに旅行で行ったとき、少しロシア語覚えたけど、なんとか通じるレベルだよ。
(7)再開する
- We’re out of time so let’s stop this discussion now and we can pick up where we left off tomorrow.
- 時間がなくなったので、今日はここまでにして、明日この続きを話し合おう。
(8)電話に出る
- I’ve been trying to call the store all day but no one is picking up.
- 一日中その店に電話をしたんだけど、誰も電話に出なかったよ。
“pick up” については、以下の記事でも詳しく取り上げています。ぜひご覧ください。
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使いこなす句動詞 “pick up”