意外と知らない「英単語の正しい使い分け」
2017.9.29
「種類」を表す “kind”・”sort”・”type” の違いって?
「種類」を表す英単語は、”kind” や “sort”、”type” が挙げられますね。今回はこれら3つの英単語にフォーカスして、意味や用法、ニュアンスの違いについて確認してみましょう!
- 一般的に置き換え可能な場合が多い
- “type” は正確な分類、”sort” は性質に重点、”kind” はその中間
多くの場合、置き換え可能
「種類」の意味で使われている “kind”、”sort”、”type” は通常置き換え可能で、多くの場合、意味に違いはないと考えて差し支えありません。
- I usually enjoy the kind [sort/ type] of food they sell at festivals.
- 私はお祭りで売られているような食べ物なら、たいてい美味しくいただけます。
- Few people have the kind [sort/ type] of job that is both enjoyable and lucrative.
- 働くのが楽しくて、なおかつ収入もいい仕事に就けている人はほとんどいない。
しいて言えば、“type” は種類や分類を正確に示したい場合に用いられる傾向があります。
- Is there a specific type of car that you were looking for?
- こういった種類の車がほしいといったご希望はございますか?
一方、”sort” は性格や性質を表し、”kind” は2つの語の中間に位置するイメージがあります。
- What sort/ kind of classes does the college offer?
- その大学ではどんな授業が受けられますか?
- Is there a specific sort/ kind of color that you were looking for?
- ご希望の色は何かございますか?
使い分けについて厳密に気にする必要はありませんが、文脈によっては、ある語を用いるのが自然であったり、意味やニュアンスにやや違いがでたりする場合があります。
イギリス英語では…
“sort/ kind/ type of~” のあとに可算名詞の単数形が続く場合、一般に冠詞はつきませんが、イギリス英語では、可算名詞の前に “a/ an” を置く場合あります。
”kind” と “sort” の違い
“kind” と “sort” については、どちらを使うかによって意味やニュアンスが異なるケースがあります。
以下の英文は、それぞれどのように訳せますか?
- What kind of dog is he?
- What sort of dog is he?
どちらも「犬種は何ですか?」と、犬の品種を尋ねる際に使うことができますが、”sort” を使った2つ目の文は「どんな犬ですか?」のように、犬の性格や性質(おとなしい、人懐っこい、攻撃的など)を尋ねている可能性もあります。
- What kind of office do you work in?
- What sort of office do you work in?
上記の場合、「どんな会社で働いていますか?」と、業種や業界を尋ねる場合や、オフィスレイアウトや建物について尋ねる場合、上記の2つの文のどちらでも使うことができます。
一方、”sort” を使った場合、「勤め先の雰囲気はどんな感じですか?」と、どんな同僚と働いているかや職場の雰囲気などを尋ねている可能性もあります。
どちらの意味で用いているかは文脈で判断するしかありません。もし「種類」というよりは「性格や性質」について表したい場合は、”sort” を使うと良いでしょう。
“What sort of ~” が特別なニュアンスを含む場合
前述のとおり、“sort” には「性格や性質」を表す用法があることから、“What sort of ~” が不満や非難のニュアンスを含んで使われる場合があります。この場合、”sort” は「種類」というよりも、「良し悪し」や「程度、品質」といった意味合いを表します。
- What sort of service is this?
- 一体どういうサービスなんだよ、これは?
- What sort of restaurant doesn’t at least provide free water?
- 水ぐらいタダで出してくれないって、一体どういう飲食店なんだよ?
イギリス英語では…
イギリス英語では、“What sort of ~” の後に可算名詞の単数形が続く場合、”a/ an” がつくことがあります。また、このように “a/ an” がつく場合は、”sort” の代わりに “kind” や “type” を用いて、不満や非難のニュアンスを表す場合があります。
- What kind [sort/ type] of a restaurant doesn’t at least provide free water?
- 水ぐらいタダで出してくれないって、一体どういう飲食店なんだよ?
”type” しか使えない場合
以下の例文のように、人の特定の性質や特徴を表す場合は “type” を用います。日本語でも「あの子はタイプだ。」のように言いますね。
また “blood type”(血液型)のような場合も、”type” しか使えません。
- What’s your type?
- 好きなタイプは?
- I didn’t really see you as a “family man” type of guy.
- あなたがそんな家庭的なタイプとはちっとも思ってなかったわ。
- 0 negative is considered a universal blood type.
- O型RHマイナスは他の血液型に輸血することができると考えられている。
and more …
“kind” は本来「単複同形」だった
“kind” は本来、”sheep”(羊)や “fish”(魚)のように、単数形と複数形で同じ形をとる「単複同形」の名詞でした。そのため以前は、”these” や ”those” などの複数を示す語に続く場合でも ”kind” に “s” をつけないで使われていましたが、最近では ”s” を付ける複数形の方が主流になっています。
“sort” や “type” の場合は普通に ”s” をつける複数形でよいにも関わらず、単複同形の ”kind” の影響で ”these” や ”those” などの後でも ”s” をつけずに使われるケースもあるようですが、”s” をつけた形の方が一般的です。
- These kinds of people always get what they deserve.
- こういう人間は必ず報いを受けることになるんだよ。
- I don’t like these types of cars.
- こういった種類の車は好きじゃないんだ。
- You don’t often see people wearing these sorts of clothes in this time of year.
- この時期にこういう服着てる人ってあまり見かけないよね。
「ちょっと…」「なんとなく…」
“kind of” や “sort of” は「少し」や「なんとなく」などの意味で使われるカジュアルな表現です。親しい間柄での会話や、くだけた文章で使われます。
- He’s kind of funny when he’s in a good mood.
- 彼って機嫌がいいときは、なんか面白いよね。
- This film is sort of interesting.
- この映画はちょっと面白い。