意外と知らない「英単語の正しい使い分け」
2017.8.18
「問題」を表す “problem”・”issue”・”trouble” の違いって?
困ったことや状況、やっかいな事柄などを表す “problem”、”issue”、”trouble” の違いは分かりますか?
それぞれがどんな「問題」を意味するのか、ニュアンスも含めて確認してみましょう!
- problem:解決されるべき「問題」
- issue:problem よりもマイナスイメージが弱く婉曲的
- trouble:偶然起こった「問題」、結果生じる不快な感情に重点
”problem”
“problem” は3つの中で最もよく使われる言葉です。「解決されるべき」というニュアンスを含み、通常は原因や解決策がある問題に対して使われます。
例えば子供が足を折ってしまった場合、折れてしまった足ではなく、どうやって通学するかが ”problem” になるでしょう。
- If you have a problem with your phone, you should contact customer support.
- 電話に不具合があるなら、カスタマー・サポートに連絡した方がいいよ。
- There’s a problem with this printer; I’d like to return it please.
- このプリンターには問題があるので、返品したいのですが。
※上記のように、「~に問題がある」は “with” を用います。
また “your problem” や “their problem” のように使うと、「当人が解決すべき問題」という意味になりますが、ややカジュアルな表現です。ちなみに ”That’s one’s problem.” は「自分で対処すべきだ」ということを示す決まり文句です。
- If you don’t like people sitting next to you on the train, that’s your problem.
- 電車で隣に座ってる人が気に入らないとか言われても、知らないよ。(立つなり、別の席に移るなり)自分で何とかして。
また、“What’s your problem?” は、例えば態度の悪いタクシー運転手にひとこと言うなど、不服そうな相手に対して「何が問題なの?」と尋ねる際に使われるフレーズで、こちらもくだけた表現です。とても直接的な表現なので、使い方には注意しましょう。
困っている人への声がけ
“What’s the problem?”「どうしたの?」は、困っている人に対して使えるカジュアルな表現です。例えばビジネスシーンでは、顧客と口論になっているスタッフに声がけする際に用いることができるでしょう。
同様の表現として “What’s the matter?”「大丈夫?」があり、こちらの方がよく使われます。
”What’s the problem?” が、困っている原因や問題点について尋ねているのに対し、”What’s the matter?” は、困っている状況やその人の感情について心配している表現となります。
形容詞の “problem”
“problem” には形容詞としての用法もあり、「問題を引き起こす」や「手に負えない」などの意味で使われます。人に対して使えば「問題児」となるでしょう。
- The high crime rate has caused this area to be labelled a problem neighborhood.
- 高い犯罪率のせいで、この地域は問題地区とみなされてしまっている。
※名詞を修飾する形でのみ使われます
”issue”
“issue” は、難しい決断が求められるような問題や人々の間で意見が分かれるような問題というニュアンスを含む語です。”problem” より婉曲的な言い方なので、ビジネスのシチュエーションで、聞き手への配慮から、”problem” の代わりに使われることがあります。
”problem” と同様に、「~に問題がある」は “with” を用います。
- We have an issue with conflicting release dates so you may have to change our production schedule.
- 発売時期が重なってしまうという問題があるので、生産スケジュールを変更しなければならないかもしれません。
- If there are any issues(※) with the water or electricity, please call me at any time.
- 水道や電気に問題があれば、いつでも私に電話してください。
※この “issue” を “problem” にしても意味に違いはありません
また “issue” には、社会問題や政治問題のような議論の対象を表す、「問題点、争点」といった意味もあります。
- Tax reform was the big issue of the campaign.
- 税制改革は選挙戦の大きな争点になった。
ビジネスで便利なフレーズ
問題点について議論する際には、”The issue is ~.” というフレーズを用いると、ある問題において何が最も重要なポイントなのか、ということを示すことができます。
- The issue is that we don’t have the resources for a project on this scale.
- 問題はこのような大規模なプロジェクトに割ける人手が我々にはないということです。
※”issue” の代わりに “problem” を用いても、同様の意味になります。
”trouble”
“trouble” は “problem” に比べて「解決すべき」というニュアンスが薄く、困った状況や問題によって、ネガティブな感情に陥っていることに重点が置かれる表現です。なお ”trouble” は不可算名詞なので、冠詞(”a/an”)が不要な点にご注意ください。
“be/get in trouble” で「~に困っている」という意味になります。
- The CEO is in trouble over claiming compensation for personal costs.
- そのCEOは個人的に使ったお金を経費として請求したことで窮地に陥っている。
また “have trouble ~ing” で「~するのが困難である/難しい」という意味になります。
- I have trouble understanding people over the phone.
- 電話だと相手の言っていることがよく分からない。
※”trouble” の代わりに “difficulty” を用いても同様の意味になります。
ちなみに “problem” も “have a problem ~ing” の形をとることが可能です。訳の上では「~しにくい、~するのが難しい」と “trouble” や “difficulty” を使った表現と大差ありませんが、”problem” を使うと、その行為をすることに同意できない、あるいはその行為をすることを好ましくないと思っているなど、心理的なやりにくさを感じていることを示します。
- I have a problem lending him money when I know he’ll just spend it all on alcohol.”
- 全部、酒を飲むのに使っちゃうって知ったら、彼にはお金を貸しにくいな。
※上記の3つの表現はいずれも、”have trouble/difficulty/a problem in ~ing” のように “~ing” の前に “in” が置かれる場合がありますが、意味は “in” があってもなくても、特に変わりません。
名詞の “trouble”
“trouble” には名詞としての用法もあり、「やっかいなこと」や「迷惑」などの意味があります。また “cause trouble” で「面倒なことを引き起こす(=迷惑をかける)」のように使われます。
- The change in the exchange rate means trouble for our business.
- 為替レートの変動は我々のビジネスにとって悩みの種である。
- I appreciate the offer but I don’t want to cause any trouble.
- その申し出には感謝しますが、ご迷惑はおかけしたくないので。
and more …
”matter”
“matter” は ”the matter” という形で問題点や困ったことを意味することができます。
- What’s the matter?
- どうかしたの?
- Is something the matter with John? I haven’t heard from him in months.
- ジョンに何かあったの?もう何か月も連絡ないんだけど。
また、“a matter of ~” で、以下の例文のような「~の問題」の意味でも使うことができます。
- It’s just a matter of time before we start living together.
- 私たちが一緒に住み始めるのは時間の問題だ。