意外と知らない「英単語の正しい使い分け」
2017.6.30
「とても」と程度を強める “very” と “so” の違いって?
今回は「とても~だ」のように程度を強める、副詞の “very” と “so” についてご紹介します。
一般的にどちらを使っても意味に違いは生じませんが、例えば “Thank you very much.” と “Thank you so much.” の場合は、どんなニュアンスの違いがあるのでしょうか?ぜひご覧ください。
- “so” の方がカジュアルで、話し言葉でよく使われる
- “very” の方が改まった印象を与える
- 基本的に相手にとって新しい情報を伝えるときは “very”
- “so” は「とても…だから~」のように何らかの「結果」を示唆
カジュアルかフォーマルか
“very” も “so” も、あとに続く形容詞や副詞の程度を「とても」と強める副詞です。多くの場合にどちらも使え、意味上の違いもないのですが、ニュアンスが少し異なるのはご存知でしたか?
“so” はカジュアルな表現になるため、友達や家族などの親しい間柄で使われる傾向にあります。親しみを感じさせるニュアンスを含んでいて、一般に話し言葉で使われるほか、SNSやチャットなどのカジュアルな書き言葉でも使われます。
- A:
- So, how was the trip to Italy?
- B:
- It was so exciting!
- A:
- ところで、イタリア旅行はどうだった?
- B:
- すごく楽しかった!
“I’m soooo tired!”
「とても」と強調のために “so” が使われる時、しばしば話し言葉では “so” に強勢が置かれますが、カジュアルな書き言葉では “I’m soooo tired!” のように複数の “o” を連ねる場合があります。
あるネイティブスピーカーによれば、”o” の数は3~5個が一般的とのことですが、2個だと誤記と間違われる可能性があるため、少なくとも3個以上にした方がよいとのことです。
一方 “very” は改まった印象を与える表現。面接やスピーチなど、フォーマルな場で使われる傾向にあります。また、相手にとって新しい情報を伝える場合も “very” が使われる傾向にあるようです。
- We are very happy that you are satisfied with our product.
- 当社の製品にご満足いただけて、大変嬉しく存じます。
- The consumption tax is very high in this country.
- この国では消費税が非常に高い。
このように状況によって、”so” と “very” が自然と使い分けられているようです。
- 「月がとても明るかった。」
- The moon was very bright.(◯ 話し言葉、書き言葉)
- The moon was so bright.(◯ 話し言葉、カジュアルな書き言葉)
”so…that ~”
“so…that ~”(とても…だから~だ)という構文にあるように、”so” はthat節以下の「結果」を強調するためにも用いられます。※話し言葉では “that” が省略される場合があります。
- The economy is so weak that the government is reluctant to raise tax.
- 景気が非常に低迷していることから、政府は増税に消極的だ。
そもそも形容詞や副詞を強調する “so” は、この ”so…that ~” のコンセプトがその根底にあると考えることができます。そのため以下の文のようにthat節がなくても、「だから~だ」という「結果」の部分が示唆されている場合がよく見られます。
- Even though it’s cold today, I’m really sweating now. This curry is so spicy!
- 今日は寒いのに、汗だくだよ。このカレーすごく辛い!
※「カレーがとても辛いから、汗だくだ」、ということです
“so nice a person” の語順って?
この語順に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、これは正しい表現。
“nice person” のように名詞を修飾する形容詞に “so” がつく場合は、冠詞(a/an)と形容詞の語順が逆になります。
※“too”、”as”、”how (ever)” の場合も同様です
- He is so nice a person that everyone speaks well of him.
- とてもいい人なので、彼のことを悪く言う人は誰もいない。
なお、こうした語順を使った表現は文法的には正しいのですが、やや文語的で古めかしい印象を与えます。そのため、”so” の代わりに “such” を用いて “such a nice person” とするのが口語的、かつ一般的です。
※”such” の場合は通常の語順と同じく、冠詞の “a/an” は形容詞の前に置かれます
- He is such a nice person that everyone speaks well of him.
- とてもいい人なので、彼のことを悪く言う人は誰もいない。
and more …
”Thank you very/so much.”
“Thank you very much.” と “Thank you so much.” にはどんなニュアンスの違いがあるのか、もうお分かりですよね?
前述のとおり ”so” の方がカジュアルな表現になるため、公共の場でのアナウンスや通知などのフォーマルな場面では “Thank you very much.” を用いる方が一般的です。
一方、親しい間柄や友人同士の場合は、堅苦しい感じのする ”Thank you very much.” よりも ”Thank you so much.” を使う方が、変に堅苦しくなく、気持ちが伝わるとされます。