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意外と知らない「英単語の正しい使い分け」

2017.5.12

混同しやすい “used to” と “be used to”

今回は英語学習者の多くの方が混同しやすい、2つの “used to” についてご紹介します。
特に “to” の後に動詞の原形と動名詞(~ing)、どちらが続くか悩んでしまう方もいるかもしれませんが、根本的な違いを理解してしまえば、簡単に憶えられるでしょう。

  • be や get の後の used to:「~に慣れている」
  • 主語の後の used to:「~したものだった」

まったく異なる2つの “used to”

次の2つの文は、どのように訳せますか?

I am used to sleeping on planes.
I used to sleep on planes.

どちらも同じ “used to” を用いていますが、実はこの2つの “used to” は全く異なります。

I am used to sleeping on planes.
飛行機で寝るのは慣れています。

1つ目の “be used to” は、「~に慣れている」という意味の熟語です。”be” は “get” や “become” に置き換わることもありますが、この場合の “used” は形容詞になります。

また “to” は前置詞なので、後に動詞を続ける場合には動名詞(~ing)になるのがポイントです。間違って、”I am used to sleep on planes.” のように動詞の原形を置いてしまわないよう、ご注意ください。

I used to sleep on planes.
以前はよく飛行機で寝たものでした。

2つ目の “used to” は「~したものだった」という意味の助動詞です。よって後に続く動詞は原形になります。

なお “used to” に続く動詞が “be” のように状態を表す動詞の場合は、「以前は~だった」のように訳せるでしょう。

She used to be blonde.
彼女は昔、金髪にしていました。

過去の習慣を表す “used to” と “would” の違いって?

“would” を用いても同様に「~したものだ」と過去の習慣を表現できますが、“used to” と違って使い方には少し注意が必要です。“would” が使えるかどうか迷った場合は、”used to” を用いるのが無難でしょう。

(1)必ず前に過去を表す節が必要
“would” を用いて過去の習慣を表す場合は、必ず “would” を含む文の前に、過去を表す節を置く必要があります。

When I lived in Tokyo, I would ride the train to work every day.
× I would ride the train to work every day when I lived in Tokyo.
東京に住んでいた頃は、毎日電車で仕事に行っていました。

一方 ”used to” はその必要がないほか、過去を表す節がなくても使えます。

I used to ride the train to work every day.
以前は毎日電車で仕事に行っていました。

なお “used to” は現在と対照的な過去を表す場合に用いられることが多く、過去を表す節がなくても「以前は~だが、現在はそうではない」という意味が含まれた表現ですが、”would” には過去との対照の意はありません。

(2)状態を表す動詞とは使えない

“be” をはじめ、”like”、 “understand”、 “know”、 “feel” といった「状態動詞」と一緒に使うことはできません。

× When I was younger, I would hate the rain.
When I was younger, I used to hate the rain.
若い頃は雨が嫌いだった。


and more …

助動詞 ”used to” の否定形

助動詞 “used to” を否定文にする場合は、”didn’t use to” とするのが一般的です。

I didn’t use to like broccoli, but I love it now.
前は好きじゃなかったけど、今は大好きだよ、ブロッコリー。

なお、今ではほとんど聞かれませんが、過去には以下のような否定の仕方もあったようです。

I didn’t used to do~
I usedn’t to ~

”used” の発音

冒頭で挙げた2つの文章のように、「~に慣れている」という意味の熟語の一部である “used to” や、「~したものだった」という意味の助動詞である “used to” は、“used” が [juːst] のように発音されます。(※”d” の音が濁りません。)

I am used to sleeping on planes.
I used to sleep on planes.

ちなみに、「使う」という動詞 “use” の過去形や過去分詞 “used” は “d” の音が濁り、[juːzd] のように発音されます。

以下の例文などは本記事で取り上げたフレーズのようにも見えて紛らわしいですが、この “used to” は過去分詞の後にたまたま目的を表す不定詞が置かれているケースなので、“used” の発音は [juːzd] です。

Barley is used to make malt.
大麦はモルトを作るために使われる。
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