意外と知らない「英単語の正しい使い分け」
2016.10.14
“meet” と “see” の違いって?
“meet” と “see” は、日本語にするとどちらも「会う」という基本的な英単語ですが、状況によっては意味やニュアンスが異なるため、使い分ける必要があるのは知っていましたか?
今回は状況別にポイントを整理してみたいと思います!
- “meet” は「会って話をした」/ “see” は「見かけた」
- 事前に約束をして「会う」は “meet” / ただし「会う」ことより、その他の目的に重点が置かれる場合は “see”
- “meet” には「初めて会う」というニュアンスも
会った時に話をしたかどうか
次の2つの文の違いは分かりますか?
- I met her at the party yesterday.
- I saw her at the party yesterday.
“met (meet)” の文章では、お互いに存在を認識して会話などのやり取りをしたことを意味するのに対し、”saw (see)” では、相手の姿を見かけただけ(=話などはしていない)、ということを意味します。
よって、
- I met Angelina Jolie during my trip in LA!
- ロサンゼルスを旅行中に、アンジェリーナ・ジョリーに会ったよ!
と言うと、アンジェリーナ・ジョリーを偶然見かけたのではなく、実際に会って話をした、という意味になります。日本語に訳すと同じ「~に会った」になりますが、ニュアンスは全く異なりますよね。
事前に約束をして「会う」
“meet” を用いる場合
待ち合わせや仕事の打ち合わせなど、双方が事前に約束をして「会う」場合は、“meet” を用います。”meet” には「会って話す」というニュアンスが含まれているように、「会う」ことに重点が置かれている場合が多いです。また「双方向的に会おうとする」というイメージを持つのも “meet” です。
- I’m meeting my coworker for lunch at 1pm.
- 1時に待ち合わせて、同僚とお昼に行くことになっています。
- Let’s meet next week to discuss the details of the project.
- 来週集まって、プロジェクトの詳細について話しましょう。
“see” を用いる場合
事前に約束をしている(アポイントを取っている)場合でも、”see a doctor”(診察を受ける)や “see a lawyer”(弁護士に相談する)のように、「会う」こと自体ではなくその他の目的に重点が置かれる場合は、“see” を用います。また双方向的な “meet”に対し、“see” には「一方的に会いに行く」というイメージがあります。
以下の2つの文章をご覧ください。
- I’ve been having this headache for over a week. I should probably see a doctor.
- この頭痛、もう1週間以上も続いてる。たぶん医者に診てもらったほうがいいな。
- One of our sales reps will meet a doctor next week to talk about selling the new medication.
- うちの営業担当が来週医師に会って、新薬を売り込む予定です。
同じ「医者に会う」という状況でも、2つ目の文章のように「会って話をする」ことに重点が置かれる状況では、ネイティブは一般的に “meet” を用います。
”see a doctor”(診察を受ける)や “see a lawyer”(弁護士に相談する)などは、決まりきった表現として憶えておくとよいかもしれません。
また他にも “see” を用いるケースとして、「明日友達に会う」といったカジュアルな約束をする場合が挙げられます。
- I’m seeing my old high school friend tomorrow.
- 明日、高校時代の友達に会うつもりだよ。
この場合も「会う」という自体より、他の行為に重点が置かれていることを示唆します。会ってから一緒に何かをして過ごすことが目的なのです。
なおこの場合に “meet” を用いても間違いではないのですが、何か悩んでいることがあって相談したい時など「会って話をする」点に重点が置かれる場合に用いるのが自然です。
本当に微妙なニュアンスの違いなのですが、ネイティブは自然にこの2つの英単語を使い分けているのです。
”Nice to meet you.” は初対面のみ
“meet” には「初めて会う」という意味が含まれるため、”Nice to meet you.” は初対面の人に対して使う表現です。反対に ”see” は、既に会ったことのある人に対して使います。
- Nice to meet you.
- お会いできて嬉しいです。(初めまして。)
- Nice to see you.
- またお会いできて嬉しいです。
例えば英会話レッスンにおいて、過去にレッスンを受けたことのある先生には “Nice to see you (again).” が自然です。“meet” を使ってしまうと、「すでに会ったことあるんだけどな…」と先生をガッカリさせてしまうかもしれません。
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電話で “Nice to see you” ?
電話で “Nice to see you.” と言うのは、実際に相手を目の前にしていないため不自然な表現です。以下のような表現を憶えておくとよいでしょう。
お話できてよかったです。
「久しぶり」も “see” を使って
「久しぶり」は “Long time no see.” と表現します。
「会う」という意味は薄れて「久しぶり」という意味の慣用表現として定着しているため、実際に会っていない場合(電話やメールなど)でもよく使われます。
なお “see” の代わりに他の動詞を使ったバリエーションもよく見かけます。
Long time no chat / talk / speak.
Long time no email.
Long time no contact.
※非常にくだけた表現なので、親しい間柄でのみ使うのがよいでしょう。
”see” には「付き合う」という意味も
恋人と「付き合う」「付き合っている」ということを “see” を用いて表現することができます。
MikeとSandraはもう付き合って3年近くになる。