これって英語で?「なるほど英語」
2017.7.3
「微妙(ビミョー)」って英語で?
今話題のあの映画、観に行ったけど、なんかビミョーだったわ~。
- slightly
- unclear
- a bit disappointing
- Not really.
解説
もともとは趣が深いことや、なんとも言えない美しさや味わいがある様子を示す言葉でしたが、今は「細かいこと」や「複雑で難しい」から派生して、さまざまな意味合いになる「微妙」。英語にした場合も、文脈によってさまざまな訳語が考えられます。
差などがかろうじて感じ取れるような場合について言えば、”slight” や ”subtle”、またそれらの副詞形の ”slightly” や “subtly” が当てはまるケースが多いでしょう。
”The line looks slightly askew.”
(その線は微妙に傾いているよう見える)
込み入っていて、単純にはいかない様子を表す「微妙」には ”complicated” や ”touchy” を使うことができます。
”The country has a touchy relationship with its neighbor.”
(その国は隣国と微妙な関係にある)
”We have a complicated relationship. We’ve been going out for a long time but we’re not really serious.”
(微妙な関係なの、私たち。長いこと付き合ってるけど、そんなに真剣じゃないの)
次の例文のように「はっきりしない」という意味の「微妙」であれば、”unclear” や ”unknown” を使うことができます。
”It’s unclear[unknown] whether the injured ace pitcher can take the mound of the season opening game.”
(故障したエースが開幕戦に間に合うかは微妙)
同じく、スポーツの文脈でもう一つ。
”The team failed to win the championship due to a controversial call.”
(微妙な判定のせいでチームは優勝を逃した)
”controversial”(議論を呼ぶ、物議を醸す)が「微妙」の定訳の一つというわけではありませんが、文脈に応じてしっくりくる訳語もいろいろあることを示す例として挙げておきます。
ここまでは比較的固めの文脈でしたが、ここからは最近よく使われる、カタカナの「ビミョー」になるようなケースを見てみましょう。
冒頭のジェシカのセリフのように「やや期待はずれ」という意味の場合ですが、”disappointing” だけだとだとやや強すぎるので、”somewhat” で少し弱めて、次のように言うことができます。
”I went to see the much-talked-about movie, but it was somewhat disappointing.”
また、次の例文のように ”a bit” を使って ”disappointing” を弱めても、「微妙」の感じに近くなります。
“The ending of the serial drama was a bit disappointing.”
(そのドラマの終わり方はちょっと微妙だった)
次は相手の質問に答える場合です。
“Did you enjoy your date yesterday? ― Not really.”
(昨日のデートは楽しかった? ― 微妙)
“Are you enjoying the party? ― Yes and no.”
(パーティー楽しんでる? ― 微妙だね)
どちらも ”yes” とも ”no” とも言えないことを表しますが、”Not really.” の方は何かしら不満があるというニュアンスを含みます。”Yes and no.” にそのニュアンスはなく、上記の例で言えば、パーティーに楽しめる部分と楽しめない部分があると感じていることになります。
最後は二択の質問に答える場合です。選ぶことが難しいような場合に使える “That’s hard to say.” という表現が使えます。
“Which do you like better, rice with natto or with raw egg? ― That’s hard to say.”
(納豆ごはんと卵かけご飯どっちが好き? ― どっちも微妙)
ちなみに欧米では卵を生で食べるのが一般的ではないため、日本の卵かけご飯が苦手という人もいるようです。